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介護士がしっかり休むことで実現する、豊かな介護(中)

interview徳田義盛さん / 地域密着型介護老人福祉施設 なごみ施設長

地域密着型介護老人福祉施設 なごみ施設長。障害者施設の厨房のおばちゃんに「あなたは向いている」と進められ、団体職員から社会福祉法人 和光会に転職。知的障害施設で働きながら、社会福祉士の資格を取得。2009年、地域密着型介護老人福祉施設「なごみ」開設とともに施設長として就任。入居者の気持ちに寄り添い、地域と一体になった介護手法が注目を集める。


暮らしの延長にある介護施設

徳田さんにとって介護とはどのようなものでしょうか

ひと言で言えば「空気感」。「環境」と言ってもいいかもしれません。必要なものだけど、苦にもならず、じゃまにもならない。でもあると安心できるもの。入居者の方の望むこと、困ったことを見捨てず、それとなくサポートすることです。

スキルはあまり関係ないということですか?

確かに、何もできないのは困ってしまいますね(笑)移動や食事、入浴といった介護動作、福祉や医療などの知識が求められる専門性の高い仕事です。でもそれは入居者に押し付けるためにあるのではなく、必要なときにさっと取り出せることが大事。当施設では高齢者という理由だけで、必要がないのにご飯をやわらかくすることはありません。入居者のしたいことを手助けする、それが「なごみ」の介護です。「心地よい空気」であれるか日々追求しています。スキルは後からでもついてきますが、人とどう接するかは介護においてとても重要ですね。

入居者のしたいことと、わがままの線引きって難しくありませんか?

わがままという言い方が適当だとは思いませんが、入居者の要望って、お墓参りしたいとか、外食したいとか、ゆっくりお風呂に入りたいとか、とてもささやかなものです。そこにリスクを避けたい、効率的でありたいといった経営の視点が入ると、わがままな要望と捉えられてしまいます。

確かに家で暮らしていたら、ごく普通の要望ですね。

わがままでなく、願いと捉え、どうやったら叶えられるか考えています。施設に入るから生活を変えてくださいではなく、家で暮らしているように生活をサポートするのが私たちの仕事です。難易度は高いですが、一緒に海外旅行とかしてみたいですね(笑)

会社の人であり、地域の人である

こちらは年間休日130日以上と、一般的な介護施設と比べて休日数が多いですね。

年間休日は現在132日です。早番、遅番、深夜のローテーション勤務で、ストレスの高い環境だと思います。そんな状況で自分の気持ちをおだやかに保つには、やはり休みが必要です。休みが多いのは今に始まったことでなく、私が入職した20年前にはそうでしたから、おそらく初代理事長が決めたことだと思います。職員が生き生きしていないと、施設に「心地よい空気」を作り出すことは難しいですから。

どのような年代の方が働いているのですか?

20代もいれば、1日2〜3時間勤務ですが70代の方など、幅広い世代が働いています。みなさん、プライベートも輝いていて、施設でも輝いて仕事をしています。

プライベートというと?

例えば、お華の先生を兼業しているスタッフがいて花を生けてくれたり、入居者に生け花教室を開いてくれたり、本人がとても生き生きと輝いているんです。うちにとってはなくてはならない存在です。

ここは働く環境であるとともに、スタッフの人生の一部でもある。1日8時間の仕事をいい加減にしてもらっては困りますが、オーバーワークも困ってしまいます。8時間しっかり働いて、プライベートもしっかり楽しむ。施設の人でもあるし、地域の人でもある。自分の人生の主人公として、仕事とのバランスを大事にして欲しい、そんな思いがあります。

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